BMS C肝治療薬ダクラタスビルとアスナプレビルを承認申請 国内初のIFNフリー療法へ
公開日時 2013/11/07 03:52
ブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMS)は11月6日、C型慢性肝炎の経口治療薬として開発中のNS5A複製複合体阻害薬ダクラタスビル(DCV)とNS3プロテアーゼ阻害薬アスナプレビル(ASV)について、ジェノタイプ1bのC型肝炎ウイルス(HCV)感染の併用療法で承認申請を行ったと発表した。承認されれば、インターフェロン(IFN)やリバビリンを必要としない初の経口併用療法となる。ジェノタイプ1bは既存治療で効果が得られにくいタイプで、国内のHCV感染者が推定120万人であるところ、70%が該当するとされる。
申請の基となった国内フェーズ3では▽IFN治療が不適格な未治療患者や不耐容患者135人▽IFN/リバビリンが無効な患者87人――を対象とした。DCV60mg1日1回とASV100mg1日2回を24週間併用した結果、投与終了24週後のウイルス学的著効達成率は全体で84.7%、前者が87.4%、後者が80.5%となった。有害事象は鼻咽頭炎(30.2%)やALT上昇(15.8%)、頭痛(15.8%)などで、重篤な有害事象が5.9%、有害事象による中止率は5.0%だった。
BMSによるDCV/ASVの申請は日本が初となる。同社研究開発部門のブライアン・ダニエルズ氏(シニア・バイスプレジデント)は、「日本では他の国よりも高齢のC型慢性肝炎患者さんが多く、ジェノタイプ1bの感染者が大部分を占めるとされています。これら2つの要因を考慮すると、この試験で用いたDCV/ASV併用療法によって、日本のC型慢性肝炎治療が大きく進展する可能性があります」と述べている。
同社はDCVやASVのほかに、NS5Bポリメラーゼ非ヌクレオシド系阻害薬(BMS-791325)やIII型IFNのペグインターフェロンラムダもC型慢性肝炎治療薬として開発中。