エーザイ 難治てんかんLGS治療薬イノベロン発売
公開日時 2013/05/29 05:02
エーザイは5月28日、小児から発症する難治性てんかんの1つレノックス・ガストー症候群(LGS)の治療薬としてイノベロン錠100mg、同200mg(一般名:ルフィナミド)を29日に発売すると発表した。日本で4歳~30歳のLGS患者様59人を対象に行った治験では、総発作頻度(発作頻度変化率)がプラセボ群が-3.1%に対し、ルフィナミド群では-32.9%と有意に減少した。
LGSは複数のてんかん発作型を示すため、発作の制御が極めて困難という。特徴である強直発作や脱力発作は突然の意識消失を伴うため、患者はしばしば転倒する。発達遅延や行動障害を伴う場合もある。推定国内患者数は3600人程度。同剤は、「他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないLennox-Gastaut 症候群における強直発作及び脱力発作に対する抗てんかん薬との併用療法」に用いる医薬品として承認された。
4歳以上の小児(体重15.0~30.0kg)では、最初の2日間は1日200mgを1日2回に分けて食後に経口投与。その後は2日ごとに1日用量として200mg以下ずつ漸増する。維持用量は1日1000mgとし、1日2回に分けて食後に経口投与する。
成人用量は、最初の2日間は1日400mgを1日2回に分けて食後に経口投与。その後は2日ごとに1日用量として400mg以下ずつ漸増する。維持用量は体重30.1~50.0kgの患者には1日1800mg、体重50.1~70.0kgの患者には1日2400mg、体重70.1kg以上の患者には1日3200mgとし、1日2回に分けて食後に経口投与する。
主な副作用は、傾眠(20.7%)、食欲減退(17.2%)、嘔吐(12.1%)、便秘(10.3%)。
同剤は、09年10月に厚労省の「未承認薬使用問題検討会議」において未承認薬開発支援品目に指定され、エーザイが治験を実施した。
薬価は次のとおり。
100mg1錠79.70円
200mg1錠130.40円