数字を疑うチカラ
公開日時 2013/05/31 00:00
有限会社オフィス・ミヤジン医薬コンサルティング部門千葉・柏リハビリテーション病院人工透析内科部長宮本研今月のポイント▼某ブロックバスターに関連する臨床研究の論文撤回は、医師と製薬企業の複雑な内情を反映している。▼有力製品の販促に使用されている各種エビデンスについて、MRは有利な数字を鵜呑みにせず、批判が可能なスキルを備えるべきだ。▼誤りを排除するための自浄能力が医療界には必要だが、現在は製品中心の商業主義に偏りすぎている。昨今の疑惑から見える実態毎日新聞社の積極的な報道にあるように、某ブロックバスターの強力な疾病予防効果を示唆する複数の論文が、急に撤回される事態となった。KOL待遇を受けていた大学教授の辞任劇に加えて、販売元の製薬企業から投入された億単位の奨学寄付金が販促に有利な試験結果を導...