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米国発 HIV検査を全国民に

公開日時 2013/04/22 05:00

米国の 感染予防問題審議会(The U.S. Preventive Service Task Force いわゆるHealth Panel http://www.uspreventiveservicestaskforce.org/)が「エイズの拡大を防ぐため、15歳から65歳までの全国民にHIVの検査を行うべき」と勧告したのは昨年11月であった。(医療ジャーナリスト 西村由美子)

米国内のHIV感染者は約110万人と言われているが、なお毎年5万人の新規感染者が出ており、国内にはさらに約20万人の潜在HIV感染者がいるとみられている。問題は潜在感染者で、感染者自らも感染の事実に気づいていないため感染拡大の原因となり、だが、存在を特定できないため国としては効果的な施策をうつことができない。

勧告は、HIV検査を国民すべてに実施することで、このような潜在感染者を同定し、これ以上の感染拡大を防ぐべきとし,審議会の外にいる専門家も概ねこの悉皆検査の勧告を支持している。

従来はハイリスク群、たとえば妊婦、若齢層、男性の同性愛者グループ、及び麻薬常用者などを対象に検査を実施してきた。だが、この方法では潜在リスク保持者が漏れてしまう。「悉皆検査でなければ意味がない」と専門家は口を揃える。だが、問題は、どのように実施するかである。たとえば頻度である。検査はどのような間隔で実施するのか?勧告は詳細には言及していない。

また勧告が正式になされた場合、真っ先に問題になるのが費用負担である。HIV検査は血液または唾液を採取して実施するが、2010年の調査によれば、簡易検査の費用はネガティブテスト48ドル、ポイジティブテスト64ドルである。オバマ大統領の医療改革法では、このようなスクリーニングはすべて医療保険から支払われるよう要請しているのであるが、保険会社はまだ成り行きを見守っている段階だ。 

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