米国発 MBAよりBMI CEOの条件
公開日時 2013/04/05 04:00
ウェストのたるみは、たとえそれが「ちょい太」程度でも、リーダーにとってはマイナス。確実に出世の妨げになる時代がくる・・・。最近のアメリカのトレンドだ。太っている人は、リーダーシップの遂行能力が低く、仕事をやり抜くスタミナがないとネガティブに評価され、管理職としての能力を疑われるというのである。また太った管理職の多い企業はリスクが高いと評価されるというのである。(医療ジャーナリスト 西村由美子)
世論をリードしているのは、たとえばThe Center for Creative Leadership (CCL:http://www.ccl.org/Leadership/ )で、主張の根拠は、CCLのリーダー研修に参加した企業のトップやシニアクラスのマネージャーの詳細なデータを,大学等の研究機関と共同で解析した実証研究でのパフォーマンス分析。研究によれば「フィットしている」管理職の方がパフォーマンスのレベルが高かったというのである。CCLの解析結果はウォールストリートジャーナル紙にも報道され,米国に波紋を広げている(2013年1月16日”What to be CEO? What’s your BMI?”)
http://online.wsj.com/article/SB10001424127887324595704578241573341483946.html
「確かに、フォーチュン・トップ500社のCEOには太った人物は1人もいません」と断定するのはサンタクララ大学ビジネススクールのBarry Posner教授だ。ビジネススクールの学位MBAよりも、体脂肪率BMIの数字の方がCEOには重要かもしれない。
実際、トップの急病や急死は企業にとって最大のリスクのひとつだ。たとえば米国マクドナルド社は2004年に名経営者の呼び声のたかかったCEOを心筋梗塞で亡くし(社長就任後わずか16ヶ月であった)、さらに1年以内に後継社長を44歳の若さで失っている(末期がんであった)。
フィットした社長が必要とされる背景には、今日のメディア社会の事情もある。企業の代表はいつどこで世界中にその姿を放映されることになるかわからない。そのため、企業トップは常にカメラ映えするコンディションを保っている必要がある、というのだ。
笑えない笑い話は総合ダイエット・サービス企業であるウェイト・ウォッチャー社(Weight Watcher International, Inc.)のCEOであるDavid Kirchhoffのエピソードである(http://manmeetsscale.com/)。約10年前にCEOに就任したとき、あろうことか、彼は人生でもっとも太っていたのだ(身長189cmで,体重111kg)。「それはもう、痛いほどに体つきを気にしていました」というDavidは「大きめのセーターやジャケットでウェストラインをごまかしていた」というが、その後20Kg以上の減量に成功し、今では人心地ついているという。