健康情報テレビ番組放映後の患者影響 医師の4割弱が「日常的に」実感
公開日時 2013/03/22 04:01
医師会員制サイト「MedPeer」を運営するメドピアは、医師会員に対して行った、健康情報テレビ番組が放映された後、患者から番組内容について相談されるといった反響についてのアンケート調査結果を発表した。2979件の回答が寄せられ、反響を「日常的に感じる」医師は37.6%だった。「少しある(過去に数件、思い当たる)」は51.5%で、9割の医師が何らかの形で影響を実感していた。不安に煽られたり、過剰に反応する患者への説明に苦慮するケースがある一方、疾患啓発や受診を促す効果を認める意見もある。特に反響が大きかったテーマは「生活習慣病」「認知症」「更年期」「花粉症」「健康商品」だったという。
日常的に反響を感じると回答した医師の主な意見は次のとおり。
・いつも外来で話していてもなかなか理解してもなえないが、マスコミを通すと理解するというよりも無条件に信じてしまう患者さんが多いです。(50 代、一般内科)
・不定愁訴、めまい、頭痛でCTを希望する外来患者が増えます。(50 代、脳神経外科)
・外来患者が「昨日、テレビで○○と言っていましたので、心配になって…」と言って受診されることが多いです。一次予防になる啓蒙的なことならいいですが、むやみに不安をあおるような報道は避けてほしいです。(30 代、消化器内科)
・自分が観ていない番組の知らない内容を質問されて困ることもあります。(40 代、脳神経外科)
・こちらも見ておかないと、患者さんに番組について質問されたときにどう説明すべきか判断できない場合があるので、なるべくそういう番組は見るように努めています。(30 代、精神科)
・眼科ではもう知れ渡った話題ですが、NHK で某大学教授が紹介した点眼薬をメモして処方依頼をしてくる患者さんが一杯来ます。もうだいぶ時間が経ちましたが、未だに毎日のようにそのような患者さんが来ます。テレビ、特に NHK の影響はとてつもなく大きいと感じています。(40 代、眼科)
・過活動膀胱・尿失禁・男性更年期障害の番組放送後は急に患者が増えました。(50 代、泌尿器科)
・センセーショナルな部分のみが強調され、但し書きの部分が欠落するので、誤って解釈される場合が多く、閉口している。(50 代、循環器内科)
・医学的には理不尽な放送があるたびに大変な思いをしますが、啓蒙という観点からは悪いこととは思っていません。(40代、脳神経外科)