JCR フェーズ2/3のGVHD治療薬 予定より1年半早く目標症例確保 承認申請予定も14年に
公開日時 2012/11/21 04:01
日本ケミカルリサーチは11月19日、骨髄移植など造血幹細胞移植時に発生する重篤な合併症のひとつ移植片対宿主病(GVHD)の治療薬として開発中の「JR-031」について、国内フェーズ2/3の症例エントリーが目標数に達したと発表した。同社によると、目標は25症例で当初予定より1年半ほど早い確保となった。そのため国内承認申請も14年の予定に前倒しした。
同剤は、ヒト間葉系幹細胞(MSC)を利用した細胞性医薬品という位置付け。03年8月に米国オサイリス社とライセンス契約を締結し、日本でGVHD治療薬として開発する独占的権利を取得し、07年からフェーズ1/2をスタートし、11年8月からフェーズ2/3を実施している。
一般に細胞治療では患者自身の細胞を用いる自家細胞治療が行われるが、MSCは免疫原性が弱いため、原料(健康なドナーから採取した骨髄液)を培養して製造した他家細胞を通常の医薬品と同様に不特定多数の患者様へ投与することが可能。MSC製剤はあらかじめ製造し凍結保存が可能なため、緊急時の対応も可能という。