FDA 新規RA治療薬のトファシチニブを承認
公開日時 2012/11/08 04:00
米食品医薬品局(FDA)は11月6日、米ファイザー社の関節リウマチ(RA)治療薬Xeljanz(トファシチニブ)を承認した。同剤の適応は、メトトレキサート(MTX)で十分に奏効しないか、忍容性のない中等度から重度の成人における関節リウマチ。今回の同剤の承認は、処方せん薬ユーザーフィー法(PDUFA)の審査終了目標日の11月21日より先行した。
同剤は、JAK(Janus Kinase)阻害剤と呼ばれる新規経口剤で、炎症性サイトカインのハブとして機能している細胞内伝達経路に作用するという。
同剤の有効性・安全性は中等度から重度のRA患者を対象とした7本の臨床試験で検証され、全試験で、プラセボ投与群に比べ、臨床的症状の改善、運動機能の改善を示した。
Xeljanzの使用は、日和見感染、結核などの重大な感染症、がん、リンパ腫の発症リスクがあるため、ラベルには枠組み警告が記載された。この観点から、同剤については、安全性情報を記載した患者向け「メディケーションガイド」や医師向けの「コミュニケーションプラン」の作成を含む「リスク評価緩和計画」(REMS)の策定が義務付けられた。また、FDAは、同剤の服用による、心疾患、がん、重大な感染症などへの長期的影響を調査するために、市販後試験の実施を求めている。
臨床試験で見られた主な副作用は、上気道感染症、頭痛、下痢、鼻腔および咽頭上部の炎症など。FDA医薬品評価研究センター(CDER)のBadrul Chowdhury呼吸器・アレルギー・リウマチ製品部長は、「Xeljanzは、MTXに十分に奏功しないRAに悩まされている患者にとって新たな治療オプションを提供する薬剤だ」と同剤の登場を歓迎した。
米疾病管理予防センター(CDC)によると、米国でのRA患者は150万人と推定される。