FDA CML治療薬Synriboを承認
公開日時 2012/10/30 04:00
米食品医薬品局(FDA)は10月26日、慢性骨髄性白血病治療薬Synribo(omacetaxane mepesuccinate)を承認した。同剤の適応は、チロシンキナーゼ阻害剤による薬剤の治療を少なくとも2剤受療後、がんが進行した慢性期および急性転化期CML。
同剤は、がん細胞の成長を促進させる一定のタンパクの合成を阻害する作用を持ち、チロシンキナーゼ阻害剤とは異なる。用法用量は、1日2回皮下注を14日連続で行い、白血球数が正常レベルになるまで、28日を1サイクルとして投与。その後は、患者が同薬のベネフィットを受け続ける限り、28日をサイクルとして、1日2回7日間連続で投与する。
同剤は、疾患の重篤さを考慮に入れ、FDAの加速審査の対象また希少疾病薬の指定を受けた。慢性期CMLの有効性は、ほとんどのCML患者で見られるフィラデルフィア染色体変異発現をしている細胞の割合の減少によって示された。76例のうち14例(18.4%)において平均3.5か月で減少した。減少期間の中間値は12.5か月。
急性転化期CMLでの有効性は、血液学的大寛解(MaHR)(白血球数の正常化)を示した患者の数で評価された。35例のうち5例(14.3%)は平均2.3か月で、MaHRに達した。MaHRの維持期間(中間値)は4.7か月だった。
臨床試験で報告された同剤の主な副作用は、血小板減少症、貧血、好中球減少症、発熱性好中球減少症、下痢、悪心、疲労感、注射部位反応、リンパ球減少症など。
FDA医薬品評価研究センター(CDER)のRichard Pazdur血液学製品および腫瘍学製品部長は、「今回のSynriboの承認は、慢性もしくは急性転化期CMLを適応としたFDA既承認薬剤に抵抗性があるか忍容性のない患者に対する新たなオプションを提供するもの」と同剤の登場を歓迎した。
FDAは、9月4日に慢性期あるいは急性転化期のフィラデルフィア染色体陽性のCMLで他治療に抵抗性があるか忍容性のない患者を適応とした、米ファイザーのBosulif(bosutinib)を承認している。FDAは、作用機序は異なるものの最近2か月以内にCML治療薬2剤を相次いで承認した。
Synriboは、イスラエル・テバ社の米法人テバ・ファーマシューティカルズ社(本社:ペンシルバニア州フレイザー)が販売する。