米FDA がん患者の好中球減少症治療薬tbo-filgrastimを承認
公開日時 2012/09/05 04:00
米食品医薬品局(FDA)は、8月29日、化学療法を受けている一定のがん患者で発症する重症好中球減少症治療薬tbo-filgrastimを承認した。
同剤は、G-CSF(顆粒球コロニー刺激因子)製剤フィルグラスチムのバイオシミラー。イスラエルのテバ・ファーマシューティカル・インダストリーズの子会社Sicor Biotech UABが製造する。
適応は、血液がんおよび骨髄腫以外のがんで、骨髄における好中球産生減少を大きく引き起こしている患者。好中球減少は感染症や発熱性好中球減少症を起こす可能性がある。
同剤の有効性は、ドセタキセルもしくはドキソルビシンによる化学療法を受けている進行乳がん患者348例を対象とした臨床試験で検証された。tbo-filgrastim投与群、プラセボ投与群、米国で未承認のフィルグラスチム製品投与群に無作為に割り付けられた。tbo-filgrastimの有効性は、プラセボでは重症好中球減少症からの回復に3.8日かかったが、同剤では1.1日で回復した。
安全性は、高用量化学療法を受けていた乳がん、肺がんもしくは非ホジキンリンパ腫患者、合計680例で構成される3件の臨床試験で確認された。最も良く見られた副作用は骨痛だった。
テバは、8月3日、tbo-filgrastimの承認について発表。その中で、申請時に米国でバイオシミラーの承認申請手続きが確定していなかったために、新薬承認申請に該当する生物製剤申請(BLA)による申請を行ったとしている。
テバは、米国での上市を同剤の先発企業アムジェンとの合意に従って早ければ2013年11月に予定している。
テバのMichael HaydenグローバルR&Dプレジデント兼最高科学責任者(CSO)は、同剤について「がん患者に最初の生物製剤で、補助療法」であるとした上で、同製剤が承認になったことで、「我々のポートフォリオを発展させることになる」と意義を強調した。