【診療報酬改定:注目トピック1】退院促し医療連携や在宅で支える流れ作る
公開日時 2012/04/02 04:01
4月1日、診療報酬改定が実施された。その中で知っておくべき今改定のトピックを、ミクス増刊号「医師と話せる診療報酬改定」(3月25日発売)から定期的に紹介するこのコーナー。今回は、今改定によって医療をどのような方向に誘導しようとしているのかを見る。この流れの中に医療機関、医師らの動きを先読みするためのヒントがある。
医療崩壊を食い止めるという公約を守るため民主党政権は10年度に続きネットプラス改定を決めたが改定率は0.004%。政権の姿勢を示す政治的意味合いが強い数値であり、むしろ改定財源の5500億円をどう配分するかが焦点となった。
それは▽チーム医療などによる勤務医負担の軽減といった急性期医療の支援、▽「急性期から在宅、介護までの切れ目ない包括的サービス」に向けた医療と介護等の機能分化や連携、在宅医療の充実、▽がんや認知症など重点対策疾患の治療支援――が大きな柱。
今回の改定について厚労省は「2025年のあるべき医療・介護の姿」の実現に向けた「第一歩」とするが、それと照らし合わせると、できる範囲で退院を促し、地域の医療連携や在宅で支えていく方向性が随所にちりばめられていることが見て取れる。
例えば、25年像には現在の一般病床を「高度急性期」「一般急性期」「亜急性期」などと機能を分ける姿が描かれているが、現在30万床以上ある7対1病棟は、将来の高度急性期に相当すると見られ、25年像では15万床。その点、今回の改定では重症度の高い患者の受け入れを進める一方で、一定の急性期を脱すれば退院を促す方針が示されている。退院後は、他の病床・医療機関、在宅、または介護で支えていくというわけである。介護報酬改定で24時間対応の「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」を創設したのも、この流れの中にあるといえる。
早期退院となれば、地域の開業医の役割、レベルアップをより求められるといえるが、全てに対応するのは難しい。そこで複数の医療機関が連携して補完し、医療を行うことも評価している(例:在宅療養支援診療所、在宅療養支援病院)。
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