武田薬品 国内P3の腎性貧血治療薬 国内販売行わず 導出先を検討へ
公開日時 2011/12/19 04:01
武田薬品は12月16日、国内フェーズ3を実施中の腎性貧血治療薬ペギネサタイド(一般名)について、国内で販売活動を行わないことを決めたと発表した。同剤は4週間に1回投与の持続型EPO製剤。武田薬品が国内販売しない理由について、同社は、重点疾患領域の▽CNS▽がん▽代謝▽免疫・炎症――に経営資源を集中するためと説明している。武田薬品はペギネサタイドのフェーズ3までは終了させるが、その後の承認申請や販売についてはライセンスアウトを含めて他のオプションを検討する。
武田薬品は、「ペギネサタイドの日本におけるフェーズ2・3試験の大部分は終了しており、これまでの知見から、日本人の腎性貧血患者にとって有望な治療オプションになり得ることが示唆されている」とコメントしている。
ペギネサタイドは米国アフィマックス社が創製したもの。日本市場については06年2月に、武田薬品が独占開発・販売権を取得した。その後、米国市場については両社で共同開発及びコ・プロモーションすること、米国以外の市場は武田薬品が開発・販売する契約を締結している。米国では承認申請中で、審査終了目標日は12年3月27日。欧州では12年1~3月に申請予定。
ペギネサタイドは赤血球産生を促進するホルモンのエリスロポエチン(EPO)の受容体に結合して効果を発揮するPEG化した合成ペプチド製剤。ペギネサタイドはこれまで予定製品名の「ヘマタイド」と呼称していたが、ヘマタイドとの製品名の使用が難しそうな状況のため、一般名のペギネサタイドと呼称することにした。