ノバルティス 希少難病CAPSの治療薬イラリスを新発売
公開日時 2011/12/08 04:00
ノバルティス ファーマは12月7日、希少難病のクリオピリン関連周期性症候群(CAPS)の治療薬「イラリス皮下注用150mg」(一般名:カナキヌマブ(遺伝子組換え))を同日から新発売したと発表した。イラリスは国内で初めてCAPSの適応を取得した薬剤。国内患者数は30人未満とされ、患者家族からは承認が強く求められていた。
CAPSは▽家族性寒冷自己炎症症候群(FCAS)▽マックル・ウェルズ症候群(MWS)▽新生児期発症多臓器系炎症性疾患(NOMID)――の総称で、インターロイキン(IL)-1βが過剰に産生されることで炎症反応などが引き起こされる慢性自己炎症疾患。生後すぐか幼児期より発症し、生涯を通じて発熱、関節痛、蕁麻疹、疲労感などの様々な症状を繰り返され、重篤な場合には聴覚や視覚障害、骨や関節の変形、腎障害などを引き起こす可能性がある。
イラリスはIL-1βに対する遺伝子組換えヒト免疫グロブリンG1モノクローナル抗体で、CAPSの諸症状を増悪させる炎症性サイトカインのIL-1βに対する高い選択性を示し、その活性を中和することでCAPSの様々な炎症症状を速やかに寛解する。2カ月に1回投与する。薬価は150mg1瓶143万5880円。
ノバルティスの三谷宏幸社長は、「患者さんや家族、そして医療従事者の切なる思いにお応えすることができ、非常にうれしく思う。今後もこのよう希少疾患に対する薬剤の開発にも注力することで、日本の医療に貢献していく」とコメントした。