アステラス 抗Xa剤ダレキサバン 提携先なく全世界で開発中止
公開日時 2011/09/29 04:01
アステラス製薬は9月28日、経口直接的ファクターXa阻害薬ダレキサバンマレイン酸塩(開発コード:YM150)の全世界での開発を中止すると発表した。アステラスはダレキサバンのグローバル開発に多額の費用がかかるとの理由から提携先を優先して検討していたが、良い提携先を見つけることが困難と判断。さらに、▽ダレキサバンの競合状況▽アステラス開発品の優先順位――などを含めて総合的に検討した結果、開発中止を決めたとしている。
ダレキサバンは日本で術後静脈血栓塞栓症(VTE)予防の適応で申請していたが、今年2月に申請パッケージの構成が足りないとして追加試験を求められ、アステラスは申請を取り下げた。アステラスは当時も他社との提携を優先的に検討し、今後の開発方針は提携交渉の結果を踏まえて決めるとしていた。アステラス広報部は本誌に、今回の開発中止の決定に関して、「ダレキサバンの有効性や安全性に問題があったわけではない。一番の理由は、疾患特性からフェーズ3に多額の費用がかかるためパートナーを検討していたが、見つからなかったため」とコメントした。
ダレキサバンはVTE予防の適応で日本・アジアでフェーズ3、欧州と米国でフェーズ2、心房細動における血栓症予防の適応で日本・アジアでフェーズ2、欧州でフェーズ2、急性冠症候群の適応で欧州でフェーズ2――の段階にあった。