FDA ホジキンリンパ腫治療薬Adcetrisを承認
公開日時 2011/08/21 23:01
米食品医薬品局(FDA)は8月19日、米シアトルジェネティクスのホジキンリンパ腫(HL)および全身性未分化大細胞リンパ腫(ALCL)治療薬Adcetris(brentuximab vedotin)を承認したと発表した。
同剤はCD30抗原を標的とする抗体‐薬物複合体。Adcetrisは、HLの治療薬としては1977年以降初めての薬剤、ALCLの適応を謳った薬剤としては、初めて。同剤はFDAの加速承認の対象となった。同剤の有効性では、HLについては102例を対象にシングルアーム試験で同剤のみを投与、73%の患者で完全寛解もしくは部分寛解を示した。また、寛解持続期間は平均6.7か月。ALCLについては、58例を対象に同様試験を実施、86%の患者で完全寛解もしくは部分寛解を示し、寛解持続期間は平均12.6か月だった。
FDA医薬品評価・研究センター(CDER)のRichard Pazdur腫瘍製品部長は、「臨床データはAdcetrisを服用したHL患者およびALCL患者では有意な奏功を示したことを示唆した」と同剤の承認を評価した。
米国立がん研究所(NCI)は、米国で2011年には新規に8830人がHLと診断され、1300人がHLで死亡すると推定している。
米国ではシアトルジェネティクスが同剤を販売する。シアトルジェネティクスは同剤を武田薬品工業の子会社ミレニアムファーマシューティカルズと共同開発している。シアトルジェネティクスとミレニアムの契約により、武田グループは米国、カナダを除く全世界での同剤の独占販売権を取得している。