CMS 糖尿病性黄斑浮腫の適応で抗VEGF薬とレーザー治療を比較
公開日時 2011/08/19 04:00
米メディケード&メディケア・サービス庁(CMS)のメディケア・エビデンス開発・保険カバレッジ諮問委員会(MedCAC)は、抗VEGF薬であるロシュのアバスチン(ベバシズマブ)およびロシュ /ジェネンテクのルセンティス(ラニビズマブ)が糖尿病性黄斑浮腫(DME) の治療薬としての使用が「適切かつ必要か」の討議を9月21日の会合で行う。
米国ではDME患者は糖尿病患者の10%、約200万人といわれる。毎年75000人が新規にDMEと診断されている。標準治療であるレーザーは視力障害の進展を抑制するが視力を改善することはできない。しかし、アバスチンとルセンティスは視力回復を促進するため、医療関係者・患者の期待は高い。
まだ、抗VEGF薬でDMEの適応を取得した薬剤はないが、両剤とも適応外で使用されている。アバスチンは各種がんで承認、ルセンティスは加齢黄斑変性症および網膜静脈閉塞に続発する黄斑浮腫の適応で承認されている。
ジェネンテクはDME適応の取得に向け、最近、ルセンティスがプラセボに比較して視力を有意に改善、疾患進展を遅らせたPIII試験の結果を発表した。今年秋にはDMEの適応での承認申請を行う計画。2剤に続くのは、VEGF Trap-Eyeとして知られるリジェネロンのEylea(aflibercept)で、今年初めにPIIIを開始した。
CMSはMedCACの会合がルセンティスとアバスチンの価格問題を検討する機会とはとらえていないが、メディケアでは、ルセンティスはアバスチンよりも年間5億ドル多く支払うことになるなど両剤の価格には開きがありすぎる。ルセンティスは注射1回あたり約2000ドル、アバスチンは薬局における調合でマイクロドーズでは注射1回あたり約50ドルだ。
CMSはDMEにおける抗VEGF剤の保険カバレッジについて全国的な統一した方針を持っていないが、保険者によって、両剤をカバーするところもあるし、ないところもあるなどまちまちとなっている。
(The Pink Sheet 8月1日号より) FDAと米国製薬企業の情報満載 “The Pink Sheet”はこちらから