処方患者数ベースのシェア分析 DPP-4阻害薬ジャヌビアは3位 JMIRI調査
公開日時 2011/08/04 04:02
処方患者数ベースで経口血糖降下薬のブランド別シェアをみると、DPP-4阻害薬ジャヌビア(一般名:シタグリプチン、MSD)のシェアが2011年5月時点で3位、同成分のグラクティブ(小野薬品)と併せれば、2位のアクトスと処方患者数でほぼ同水準となることがわかった。これは医療情報総合研究所(JMIRI)が提供する「ウェブ処方インサイトDYNAMICS」という調剤レセプトをベースにした分析から判明したもの。
この分析結果の詳細はMonthlyミクス8月号(8月1日発行)に掲載している。5月時点での処方患者数ベースでのシェアは、1位がシェア約20%のSU薬アマリール(グリメピリド、サノフィ・アベンティス)、2位が約15%のインスリン抵抗性改善薬アクトス(ピオグリタゾン、武田薬品)、3位が約10%のジャヌビア――で、4位がα-グルコシダーゼ阻害薬ベイスン(ボグリボース、武田薬品)、5位がビグアナイド系薬メルビン(メトホルミン、大日本住友製薬)と続く。グラクティブは7位でシェアは約5%となっている。
アマリールは10年11月の後発品参入から、そのシェアは右肩下がりの傾向を示し、アクトスも横ばいからややシェアダウンの傾向を示している。一方で、ジャヌビア/グラクティブは11年1月の長期処方制限の解除でシェアが急激に伸び、11年1~5月も堅調にシェアを伸ばしており、ジャヌビア/グラクティブ合計でみれば、近くアクトスを追い抜く可能性が高まっている。
なお、ジャヌビアは新規患者の獲得に加え、他剤からの切替処方も大きく獲得している。ジャヌビアの切替元薬剤ではアマリール、アクトス、ベイスン、ベイスン後発品、α-グルコシダーゼ阻害薬セイブル(ミグリトール、三和化学研究所)――が多い。