NSAID使用と心房細動・粗動のリスク 集団症例対照研究
公開日時 2011/07/18 04:00
非選択的非ステロイド系抗消炎剤(NSAID)あるいは選択的COX-2阻害剤の使用と心房細動・粗動のリスクを検証するために北デンマーク(人口170万人)で医療データベースのデータを使用した集団症例対照研究を行った。
1999年から2008年の間で心房細動あるいは心房粗動と初めて診断された32602例について、現在、NSAIDあるいはCOX-2阻害剤を服用しているかあるは以前服用していたかを対象に分析が行われた。
結論として、非アスピリン系NSAIDの使用は心房細動・粗動のリスクを増大させることに関連があった。NSAID、選択的COX-2阻害剤を使用していない患者に比べ、新規使用者では相対リスクが40-70%増加するなど関連は最も強かった(非選択的NSAIDでは最も低く、COX-2阻害剤では最も高い)。この研究では、NSAIDを処方する際には、心房細動・粗動発症リスクを心血管リスクに追加する必要があるというエビデンスを加えた。
Morten Schmidt (Department of Clinical Epidemiology、Aarhus University Hospital)ほか。
BMJ 2011;343:d3450