大日本住友 BG系糖尿病薬メルビン錠の販売中止へ メトグルコ錠に集約
公開日時 2011/07/05 04:00
大日本住友製薬はビグアナイド系経口血糖降下薬メルビン錠250mg(一般名:メトホルミン塩酸塩)の販売を中止する。最終出荷時期は在庫状況にもよるが、今年9月頃となる予定。同社はメルビン錠に比べて使用範囲が拡大されている同一成分のメトグルコ錠250mgを10年5月から販売しており、これまでのメルビン錠とメトグルコ錠の並行販売から、メトグルコ錠に集約することにした。
大日本住友は1961年に、メトホルミン塩酸塩を含有する医薬品(=メルビン錠)を日本で最初に自社開発・販売した。ただ、海外で他のBG系薬に乳酸アシドーシスによる重篤な副作用が発現したことに伴い、77~78年に効能・効果、用法・用量に制限が加わり、欧米の効能・効果、用法・用量と大きく異なるものになった。このような経緯もあったが大日本住友は2003年に、メトホルミン製剤の日本人における効能・効果などを見直し、早期に医療現場に供給するため、フランスのメルクサンテ社から「Glucophage」を導入、国内臨床試験を経てメトグルコ錠として承認を取得し、販売している。
メトグルコ錠は、メルビン錠など既存メトホルミン製剤の1日最大用量750mgに対して、1日維持用量として750~1500mg、1日最大用量として2250mgを投与できる薬剤。食後投与に加えて食直前投与もできる。なお、メトグルコ錠の11年度通期の売上計画は50億円(10年度通期実績=3億円)。一方、メルビン錠の11年度は上期のみ売上計画を立てており、10億円を見込んでいる(10年度通期実績=44億円)。