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帝人ファーマ・荒尾社長 17日に痛風・高尿酸血症薬フェブリクを発売 18年度に総売上高2000億円へ

公開日時 2011/05/16 04:01

帝人ファーマは5月17日に世界で40年ぶりとなる新規の痛風・高尿酸血症治療薬フェブリク(一般名=フェブキソスタット)を発売する。5月13日に同社が開いた説明会で同社の荒尾健太郎社長は、同剤の国内外での市場浸透により、同社の総売上高を現在の1364億円(10年度)から18年度には2000億円を目指すと意気込みを語った。同剤の国内でのピーク時の売上高は200億円。同社単独でMR750人体制で総力を挙げて販売展開し、2~3年後に高尿酸血症治療薬市場(市場規模250億円)の4割にあたる100億円を獲得したいとしている。

 

フェブリクは帝人が自社創製した新薬で、世界初の非プリン型選択的キサンチンオキシダーゼ阻害薬。既存の薬剤は「痛風、高尿酸血症を伴う高血圧症」と適応が限られていたのに対し、同剤は国内初の「痛風、高尿酸血症」。高血圧症を合併しない患者にも投与可能になったことで、投与対象患者が広がり、シェア拡大が見込めるという。
 

荒尾社長は「発売後に痛風と高尿酸血症のエビデンスを蓄積することで、受診率や薬物療法の向上を目指したい」と語った。フェブリクは国内も含め9カ国で発売されているが、14年までに約60カ国まで上市を拡大し、重点領域の「呼吸器領域」「骨・関節領域」に加えて、将来は第3の柱として「循環器・代謝領域」を育成する方針だ。

 

国内の痛風・高尿酸血症患者は約1600万人。このうち高尿酸血症・痛風の治療ガイドランで薬物治療推奨領域にいる患者数は約520万人。既存の尿酸降下薬にはフェブリクと同じ尿酸生成抑制薬ザイロリック(GSK、一般名=アロプリノール、後発品も発売されている)のほか、尿酸排泄促進薬・酸性尿改善剤のユリノーム(鳥居薬品、ベンズブロマロン)やウラリット(日本ケミファ、クエン酸カリウム)などがある。現在の高尿酸血症関連薬剤市場の規模は229.5億円で、ザイロリックが51.4%(後発品も含めると68.1%)、尿酸排泄促進剤・酸性尿改善剤が32.9%のシェアを占めている。

 

同日講演した東京慈恵会医科大学の細谷龍男氏(腎臓・高血圧内科)によると、「(既存薬は)どの薬剤も帯に短したすきに長しという感じで、使いにくい。例えば、アロプリノールは活性代謝物オキシプリノールは全て尿中に排泄されるため、腎臓機能が低下した患者では血中濃度が上がりやすく減量が必要」と説明。「フェブリクは尿酸値を安全に下げることができる。軽~中等度の腎機能低下患者でも減量が不要」と述べ、使い勝手の良さを強調した。
 

同剤は海外では痛風の適応しか得ていないが、国内は痛風と高尿酸血症を同時に取得した。それを踏まえ細谷氏は同剤の今後の可能性について「高尿酸血症の患者は痛風患者の10倍くらいいるといわれる。(欧米は痛風による関節症が起きてから治療する。日本で高尿酸血症のエビデンスを蓄積することで)、高尿酸血症から治療するという治療方法がいずれは欧米に広がっていくとみている」と期待を示した。
 

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