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Ipilimumab 幅広い患者に使用可能?

公開日時 2011/04/12 04:00

ブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMS)はCTLA4阻害剤Yervoy(ipilimumab)について、3月25日、切除不能もしくは転移黒色腫の適応で承認取得したが、同剤の適応範囲は広く、多数の黒色腫患者に使える可能性が出てきた。

FDAの承認適応は、難治性患者の試験に基づいているが、第2選択の使用について限定していない。進行転移患者あるいは初期治療が奏功しなかった患者に限定しておらず、同剤が進行悪性黒色腫患者すべてに作用することが示唆されている。

今後、第1選択の試験データをFDAに提出、ラベルに追加する必要があるが、同剤が商業的な可能性をフルに引き出せることにほとんど障害はない。

第1選択薬としての適応外使用がすでに期待されており、投資銀行Leerink SwannのSeamus Fernandezは、医師オピニオンリーダーからのフィードバックでは、同剤が約70%の患者に使えることが示唆されたと話している。

今回の承認は「020試験」の結果に基づいたが、治療歴のないステージIIIもしくはステージIVの患者500症例を組み込んだ「024試験」の結果が6月のASCO(米国臨床腫瘍学会)総会で発表される。024試験では主要評価項目である全生存期間の改善に到達した。024試験では、ipilimumab10㎎/化学療法剤dacarbazineの併用とdacarbazine単剤の比較対照されている。

同剤は、今後、ロシュ /プレキシコンのBRAF阻害剤vemurafenib(RG7204/PLX4032)が競合品になると見られる。今年中に申請予定。しかし、ipilimumabとvemurafenibの併用も考慮されており、ジェネンテク(ロシュ子会社)はBMSと併用試験について協議していることを確認している。

BMSは、2009年に24億ドルでメダレックスを買収したことに伴い同剤の全ての権利を取得した。

BMSは、Ipilimumabの価格は予想より高くなるとしている。 同剤は3週間後ごとに3㎎/kgを4回服用することになり、1回3万ドルと仮定すると、合計12万ドルとなる。調査会社Bernstain Researchは、年間1人当たり10万ドルと仮定すると2015年の同剤の売上は17億ドルに達すると見ている。

6月のASCOで発表のデータ次第で価格は大きく変動し、Swannは1人あたり5万ドルとし、2011年には売上1億ドル、2017年には9億2500万ドルを見込むが、ASCOの結果が良好なら50%価格が上昇、2017年の売上は6億ドルアップすると予測している。
The Pink Sheet 3月28日号

 

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