心筋梗塞の発症 TIAの既往がある患者で約2倍に
公開日時 2011/04/11 03:58
心筋梗塞の発症リスクは、一過性脳虚血発作(TIA)の既往がある患者では、一般集団の約2倍になることが分かった。Joseph D.Burns 氏らが、3月24日付の医学誌「Stroke」Online版で報告した。
冠動脈疾患は、TIA発症後の死亡の主要な原因であることが知られている。一方で、TIA発症後の心筋梗塞の発生率いついて、これまでに明確なエビデンスが構築されていなかった。
Burns氏らは、TIA後の心筋梗塞の発症率を検討することを目的に解析を行った。解析対象は、英国ですでに実施されたコホート研究「Rochester Epidemiology Project」のTIA(1985~94)、心筋梗塞(1979~2006)を用いた。
その結果、TIA発症後の心筋梗塞の発症率は0.95%/年で、一般集団と比べた時の相対リスクは2.09(95%CI:1.52~2.81)だった。この傾向は、60歳未満の若年者でより顕著にみられた(相対リスク:15.1、95%CI:4.11~38.6)。
独立危険因子としては、高齢(ハザード比:1.51(10歳年齢が上昇あたり)、95%CI:1.14~2.01)、男性(2.19、95%CI:1.18~4.06)、TIA治療時の脂質低下療法の実施(3.10、95%CI:1.20~8.00)が浮かび上がった。
Burns氏らは、これらの結果を「TIA患者のうち、心筋梗塞のリスクが高い患者を同定するのに有用なデータ」としている。