アステラス 高リン血症治療薬ビキサロマーを国内承認申請
公開日時 2011/03/16 04:00
アステラス製薬は高リン血症治療薬ビキサロマー(一般名、開発コード:ASP1585)について、日本で3月14日付で承認申請したと発表した。ビキサロマーは導入品で、今回の申請に伴ってアステラスは、創製した米イリプサ社(現アムジェン子会社)にマイルストンとして1000万ドルを支払う。
腎機能が低下した透析患者の多くでは、腎臓からリンが十分排泄されなくなり、体内にリンが蓄積して高リン血症を発症する。高リン血症が持続すると、骨が痛んだり骨折しやすいなどの症状を特徴とする腎性骨症や心血管系組織の石灰化による虚血性心疾患のリスクが高まる。このため透析患者では血清リン濃度を適正値に維持することが重要となる。
アステラスは今回、「透析中の慢性腎不全患者における高リン血症」の適応症で申請した。ビキサロマーはアミン機能性ポリマーで、消化管内でリン酸と結合し体内へのリン酸吸収を阻害することにより、血清リン濃度を低下させる。同社によると、国内で実施した透析中の慢性腎不全患者を対象としたフェーズ3試験で、血清リン濃度の低下作用と長期投与時の安全性が確認されたとしている。アステラスは2006年4月にイリプサ社からビキサロマーの日本における独占的開発・販売権を取得し、これまで開発してきた。