J&J子会社のマクニール FDAと司法省と和解 OTC回収問題で
公開日時 2011/03/16 04:00
米食品医薬品局(FDA)と司法省(DOJ)は3月10日、ジョンソン・エンド・ジョンソン子会社のマクニールPPCとOTCの抗炎症剤などへの異物混入問題について同意判決(ほぼ日本の和解に該当)に調印したと発表した。
マクニールは、2010年から今年初めにかけてOTCの小児用抗炎症剤のTyrenol、Motorin、抗アレルギー剤Zyrtecなどで異物混入による回収問題が相次ぎ、さらに、実際には製品回収であるにも関わらず、商品を大量に購入する「幽霊回収」を行ったことなどが判明。FDAおよび司法省が連邦食品・医薬品・化粧品法(FDCA)違反(GMP順守)の疑いで同社に対し米国ペンシルバニア東地区地方裁判所において訴訟提起していた。
同意判決では、Tyrenolなどを生産していたフォートワシントン(ペンシルバニア州)の工場については、FDAが同工場での改善が法律に適合していると判断するまで操業停止、併せて、品質管理担当者およびOTC製品担当者の2人を被告人として認定した。
さらに、ラスピエドラス、プエルトリコ、ランカスターの各工場についてGMP順守されているかどうか迅速に改善計画の提出を求めると同時に、これら工場で第3者の査察担当者を配置することを求めた。また、2009年12月以降にこれらの工場で製造された薬剤の破砕を求めた。
FDAの医薬品評価研究センター(CDER)のDeborah Autorコンプライアンス部長は、「この措置は非常に厳しいが、同社工場で製造した製品が品質・安全性・純度を確保させるために必要なものだ」とコメントした。
同意判決はペンシルバニア東地区地方裁判所の承認を取得後、発効する。
マクニールが同意判決に違反した場合、FDAは同社に対して生産中止ほか改善計画の実施の中止を命ずることが出来る。また、1日当たり1万5000ドル(上限年1億ドル)の罰金が科せられる。
マクニールも同日、FDAと司法省との同意判決について発表、コンプライアンス順守への決意を示した。