パンキャンジャパン タルセバの膵臓がん適応の早期承認求め厚労省に要望
公開日時 2011/03/11 04:00
膵臓がん患者支援団体パンキャンジャパンは3月10日、膵臓がん治療薬として欧米では標準的に用いられているエルロチニブ(商品名タルセバ、中外製薬)について、日本でも早期承認を求める要望書を厚生労働省に提出したと発表した。膵臓がんは難治がんの1つで、5年生存率は5%程度。承認治療薬は2つしかなく、効果がなくなった患者にとって他の治療薬が必要になっている。
同剤は、日本では非小細胞肺がんの治療薬として認められているが、膵臓がんの適応はなく、中外製薬が09年9月に効能追加を承認申請したところ。しかし、発表によると、膵臓がんは再発しやすく、既存の抗がん剤ゲムシタビン、S-1とつなげて治療を続けていくうちに耐性ができて、効果なくなることがほとんど。そうなると治療手段がなく、エルロチニブが待たれるという。そのため患者会は、今回の要望書提出と併せ、4月30日まで早期承認を求める署名活動を展開する。
海外では、同剤とゲムシタビンの併用が普及しており、米国は05年11月、欧州では07年1月に承認されている。タルセバは、がん細胞の増殖に関与するEGFRを標的とする分子標的治療薬。