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英国・NICEのガイダンス 抗血小板薬の使い分け明記

公開日時 2011/03/10 04:00

クロピドグレルを虚血性脳卒中に推奨

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

抗血小板薬を用いたスタンダード治療が変わった。英国の国立医療技術評価機構(NICE)が2010年12月にまとめたガイダンス「血管閉塞性疾患の発症予防におけるクロピドグレルと徐放性ジピリダモール」では、虚血性脳卒中にはクロピドグレル、一過性脳虚血発作(TIA)には徐放性ジピリダモールとアスピリンの併用を推奨した。ここでは、ガイダンスの内容を紹介する。

 

 

 

 

 

 

 

 

NICEのガイダンスは、血管閉塞性疾患と、確立した末梢動脈疾患(PAD)がある患者を対象に、脳卒中をはじめとした血管閉塞性疾患の発症予防を目指した治療ストラテジーを示した。
 

虚血性脳卒中と心筋梗塞の発症は、高い死亡率と関連していることがすでに示されており、脳卒中発症から30日間以内の患者では23%が死亡し、生存者の60%から70%は3年以内に死亡すると報告されている。そのため、これら閉塞性冠動脈疾患の発症、再発を抑制することが重要とし、抗血小板療法の必要性を強調した。

 

 

 

 

 

4つの大規模臨床試験の結果踏まえて推奨

 

 

ガイダンスでは、クロピドグレルと徐放性ジピリダモール+アスピリン、徐放性ジピリダモールの使い分けについて言及した。この背景として、両剤の有効性・安全性を検証した4つの臨床試験「CAPRIE」「ESPRIT」「ESPS-2」「PRoFESS」がある。
 

クロピドグレルは、血管閉塞性疾患の発症予防を目的とした虚血性脳卒中やPAD、Polyvasular disease(複数の血管床に疾患を持つ)患者に対する投与が推奨された。
 

この根拠となった、同剤とアスピリンの有効性・安全性を直接比較した「CAPRIE」は唯一、心筋梗塞とPADを含む試験だ。
 

Polyvasular disease(虚血性脳卒中、心筋梗塞、症候性PADのうち、少なくとも2つを合併)を対象にしたpost-hoc(後付け)サブグループ解析では、クロピドグレル投与群は、アスピリン群に比べ、複合エンドポイント(虚血性脳卒中+心筋梗塞+血管死)を有意に14.9%低下させた[95%CI:0.3~27.3、P値=0.045]。ガイダンスのコミッティーは、同試験の結果を「post-hoc解析であることから、限界がある」としならも、「このサブ解析では大規模集団を対象にしている」と指摘。「閉塞性冠動脈疾患の発症リスクが高い患者では積極的な治療が必要かもしれない」との見解を示している。
 

一方で、TIAについては現在、クロピドグレルを用いた治療も行われているが、英国で適応症を持っていないことから、今回は推奨に至らなかった。
 

なお、日本では徐放性ジピリダモール+アスピリンは臨床試験を中止しており、用いることができない。
そのほか、ガイダンスでは、医療経済的観点からジェネリックを用いることの重要性も明記している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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