オオカミが消えると森が死んでしまうという仮説
公開日時 2011/02/27 00:00
株式会社メディカルライン榎戸誠大型肉食獣と生物多様性優れたMRは、仕事上の仮説を立て、それを自らのMR活動を通じて検証していくのだが、この意味で『捕食者なき世界』(ウィリアム・ソウルゼンバーグ著、野中香方子訳、文藝春秋)は参考になる。また、生物多様性に関心を持つ者にとっては、衝撃的な内容が詰まっている本である。「オオカミなどの頂点捕食者(トップ・プレデター)がいなくなると、森が荒廃してしまう」という仮説の出現が、半世紀に亘り生態学上の世界観を巡る論争を巻き起こしてきたが、この仮説は圧倒的な反対論の前では少数派であり、異端扱いされてきた。頂点捕食者とは、食物連鎖の捕食ピラミッドの頂点に位置するオオカミ、ピューマ、ハイイログマ、ライオン、ジャガーなどの大型肉食獣のことである。何らかの要因で、この...