BMS オンコリスの抗HIV薬で全世界の製造・開発・販売権を取得
公開日時 2010/12/24 04:00
ブリストル・マイヤーズ スクイブと日本のオンコリス・バイオファーマ(本社・東京、浦部泰生社長)は12月21日、オンコリス・バイオファーマが開発中の抗HIV薬フェスティナビルの全世界での製造・開発・販売に関する独占権をブリストル社が取得することで合意したことを発表した。
今回の提携によりオンコリス・バイオファーマは契約一時金、開発・薬事・販売などのマイルストーン・ペイメントを含め最大で2億8600万ドルを受領できるほか、上市後の全世界での販売額に連動したロイヤリティーも獲得できる。
ブリストルのBrian Daniels開発担当上席副社長は「フェスチナのプロファイルは安全性の面で、いまだ満たされていない医療ニーズの高いHIVの長期治療方針を改善する可能性がある」とコメント。オンコリス・バイオファーマは04年3月設立。資本金は22億4458万円。がん、感染症領域を中心とするバイオテクノロジー企業。フェスティナビル以外ではアメリカで第1相臨床試験を実施中の抗がん剤テロメライシンや前臨床のC型肝炎治療薬などを有している。
フェスティナビルは、鹿児島大学難治性ウイルス病態制御研究センターの馬場昌範教授、昭和大学薬学部の田中博道教授、米イェール大学医学部のYung-Chi Cheng教授らの共同研究により見出され、同社が06年に米イェール大学より全世界での独占的ライセンスを取得したHIVの核酸系逆転写酵素阻害薬。1日1回の経口投与が可能で、前臨床の結果からは高い安全性が示唆されている。現在、アメリカで第2相臨床試験が進行中であり、フランスでも臨床試験を実施中。