配合剤 医師の半数が好意的受け止め 理由は「患者にメリット」
公開日時 2010/12/06 04:02
医師限定コミュニティサイト「MedPeer」を運営するメドピアはこのほど、配合剤に関する意識調査結果をまとめた。最も多かった回答が「薬剤の内服コンプライアンスが守られて好ましい」で回答医師の34%を占め、次いで「薬剤選択肢が多くなり好ましい」で19%だった。この上位2つの回答から、半数以上の医師が患者メリットの面から配合剤を好意的に受け止めていた。しかし、「それぞれの薬剤の含有量に偏りがあり使用しにくい」が17%、「在庫を考慮すると、薬価が割に合わない」が3%となり、使用しづらいと考える医師も2割程度にのぼった。MedPeerの会員医師は約3万1000人。
調査は10月22日~11月4日に実施した。有効回答数は1867件。同調査は、会員医師が他の会員医師に日常診療に関する疑問を投げかけ、回答を得るもの。今回の質問は、「降圧剤を中心に合剤の発売が相次いでいる。薬剤の選択肢が増え、患者の自己負担軽減など億のメリットがある一方で、薬剤の含有量の問題など投薬計画に影響を与えるという声も聞かれる。そこで配合剤の普及についてどう考えるか」という内容。
その結果、「薬剤の内服コンプライアンスが守られて好ましい」と答えた医師からは、「コンプライアンスの改善や薬価が多少安いなど患者さんにメリットがある」(50代、一般内科、消化器内科)、「多種類の内服が多すぎる患者には合剤は有効」(50代、皮膚科、形成外科)――などの意見が相次いだが、同様に「難を言えば名前が覚えきれない」(40代、消化器外科)、「副作用がどの成分で起こっているのか判断が難しくなることはあり得る」(40代、皮膚科、アレルギー科)、「組合せが多すぎるとややこしくなるので、今ぐらいにしておいてほしい」(40代、呼吸器外科、消化器外科等)といった声も多く見られた。
「薬剤選択肢が多くなり好ましい」と答えた医師からは、「用量の組合せで不都合を感じることはあるが、選択肢が増えることは単純に評価できる」(50代、一般内科)、「選択肢が増えて良いと思うが、できればOD錠や粉の薬も欲しい」(40代、一般内科、消化器内科等)――などの意見が寄せられた。
一方、「それぞれの薬剤の含有量に偏りがあり使用しにくい」と答えた医師からは、「本来服用薬が多くなりがちな高齢者に処方したいが、効果が強すぎるとき調節しにくい」(40代、一般内科)、「患者に対して個別の調整をしたい時に使いづらいので、結局合剤に統一することはできず、それぞれの単剤も在庫している。決して有利とはいえない」(50代、整形外科等)などの声が多かった。「在庫を考慮すると、薬価が割に合わない」と回答した医師からも、「院内処方の医療機関にとっては在庫の問題もあり、なかなか導入しづらい」(50代、一般内科)などの意見が見られた。