EUの市販後安全性調査システム改定にコスト増の懸念
公開日時 2010/11/26 04:00
欧州議会は(EP)は、EU内で施行されている、市販後安全性・有効性調査システムが時代遅れになってきたことや各国での強化の必要性が高まっていることから、同システムの改定案を議決、採用に一歩近づいたが、製薬産業は同案施行による企業の負担増を懸念している。
同案の実施で市販後試験が要求されるような場合、試験結果が、販売承認に影響を与え、承認事項を変更しなければならない局面も予想されるため、欧州製薬団体連合会(EFPIA)は、製薬企業に過度な負担がかからないように一部条文には施行手段について十分に検討するよう求めている。特に、コスト増がR&D意欲を削がない配慮を求めている。
しかし、今回の改定は、製薬企業にとっての問題ばかりでなく、患者にとって直接影響のある問題でもある。現行制度では、重篤な有害事象が疑われると、その製品が各国で承認されている場合、報告は各国当局に別個に報告され、その評価は各国で行っていた。しかし、今後は、有害事象情報を直ちにEudravigilanceと呼ばれるEU各国共通のデータベースに乗せ、EUとしてグループ評価を行い、重複の回避と迅速化を図る考えで、有害事象への素早い対応を目指す。
同改定案は、今年末か、2011年初頭に発効すると見られている。