大規模臨床試験を成功させるには
公開日時 2010/11/29 00:00
メビックス代表取締役社長吉田裕彦前号に引き続き、大規模臨床試験を成功させる3つの鍵について解説することにする。最初に大規模臨床試験でよく用いられるPROBEの長所と短所を述べたが、最近よく目にするのが割付因子の問題である。ランダム割付と背景因子の偏りいわゆるランダム化は1923年にFisherによって発表され、既に1931年には臨床試験に応用されている。その後問題になってきたのが、単純に試験対象集団をランダムに割付けると、群間で特定の背景因子に偏りが生じる(バランスが崩れる)場合があることである。背景因子とは、性別、年齢、既往歴、喫煙歴、罹病期間などを指すが、なぜこれらの因子のバランスが崩れると問題になるのだろうか?例えば、高血圧患者を対象としたある大規模臨床試験でA群がB群に比較し有意にイ...