心血管安全性が抗精神病薬ラツーダの差別化要因
公開日時 2010/11/22 04:00
米食品医薬品局(FDA)は、サノビオン・ファーマシューティカルズ(大日本住友製薬の米国子会社)の非定型抗精神病薬ラツーダ(ルラシドン)を10月28日に承認した。
同種の薬剤では心血管リスクを伴いがちで、ラベルに「QT延長の可能性」についての警告などが記載される場合が多いが、同剤は、諮問委員会の審査もなく、最近の同種の薬剤では再試験の要求などで遅れがちになるなか、10か月という迅速な審査で承認されたことで、同種他剤と大きな差別化ができると見られている。副作用プロファイルも良好だ。
しかし、同剤のラベルには、疫学的研究の結果、非定型抗精神病薬治療中の患者で高カルシウム血症関連副作用リスクを増大させる可能性に言及、同剤は同研究に含まれていなかったので、そのリスクは不明と記述されるなどFDAの同種薬剤に対しての慎重な姿勢が浮き彫りにされている。
ラツーダは2月に発売予定で、サノビオンはMR300名体制で販促に臨む。また、販促では広告代理店Abelson Taylorと協力、ウェッブを活用する。同剤は、現在、双極性障害の適応でフェーズIII実施中、およそ半分が終了したという。
(The Pink Sheet 11月8日号より) FDAと米国製薬企業の情報満載 “The Pink Sheet”はこちらから