エーザイ 米国で転移性乳がん治療薬エリブリンの承認取得 次期戦略品
公開日時 2010/11/17 04:02
エーザイは11月16日、転移性乳がん治療薬として開発してきたエリブリンの承認を米国で取得したと発表した。次期国際戦略品として今年3月30日に日米欧同時承認申請を行っていた。今月に米国での特許が切れる主力の認知症治療薬アリセプトの収益減をカバーする薬剤の1つに位置づけられている。米国では月内にもHALAVEN(ハラヴェン)の製品名で販売を開始する。
国際臨床試験(EMBRACE試験)では主要評価項目の全生存期間が、エリブリン単剤で13.12ヵ月と、対照群である治験医師選択療法施行群より2.5ヵ月有意に延長。米国では優先審査品目に指定されていた。日本でも優先審査品目に指定されており、現在承認審査中。
同剤は注射剤。エーザイはこの薬剤の特長の1つとして、投与方法が2分~5分の静脈投与と短時間で済むこと。水溶性が高いことから溶解補助剤の必要がなく、補助剤の使用に伴う必要とされていた前処置も必要ないことを挙げている。
同社は、本社内で記者会見を行い、その中で内藤晴夫社長は同剤の承認について「乳がん患者様に明確なエビデンスを伴う延命効果をもたらしうる薬剤であることを実証しており、きわめて意義深い」との声明を発表した。