◎平凡な毎日だと思っていた社外秘なので両親に見せて自慢するわけにもいかないけれど、親の小言に負けず私なりに仕事を頑張ってきたものね、と川悦さんは自らのＭＲデータベースを読み返しながら微笑んだ。運用を開始して数ヶ月で本社側サーバーが3回も故障したほど、大量のデータがＭＲから日々集積され、社長号令でシステム改良を続けた現在では滑らかに各自の履歴画面がスクロールできるようになっている。導入研修の頃は人事部のイケメン社員にずっと憧れたものだし、市内をせっせと運転して大小の診療所を担当するようになってからは、予想外の厳しい事態が連続して相当に凹んだわね。こうやって懐かしく思い出している時点で、アラサーになりつつある年齢が気になるけど。ＭＲ履歴の個別記載を見ていると、初めて自分の仕事ぶりを真剣に褒めてく...