塩野義 家ダニアレルギー性鼻炎薬開発へ 減感作で症状改善 舌下錠
公開日時 2010/09/08 04:00
塩野義製薬は9月7日、仏でアレルギー性疾患の免疫療法に特化して研究開発を行うスタラジン(Stallergenes)社が開発する家ダニによるアレルギー性鼻炎を対象とした免疫療法薬(舌下錠)について、日本と台湾で独占的な開発・販売権を取得したと発表した。11年上期に日本でフェーズ1を開始する予定。この薬剤は、独でスタラジン社が申請準備段階という。同社とは併せて、スギ(日本スギ)花粉によるアレルギー性鼻炎を適応とした免疫療法薬の共同研究・開発・商業化に関する契約も締結した。
この免疫療法薬は、「特異的免疫療法」と呼ばれる作用を持つもの。抗原を少しずつ増量しながら長期にわたり投与し、抗原に対する応答を弱めていく減感作によって症状を改善すると考えられている。これまで皮下注射による治療は行われているが、まれにアナフィラキシーショックを起こすリスクがあり、そこで経口剤の開発が望まれていた。開発する舌下錠は、家ダニから原因の抗原を抽出して製剤化、口腔内で速やかに崩壊し、服用のしやすさにも配慮する。
今回の契約に伴い一時金として2400万ユーロ、ほかに開発の進展に応じた総額4600万ユーロを塩野義が支払う。承認後は販売額に応じてロイヤリティを支払う。
減感作治療薬としては、鳥居薬品が7月、スギ花粉のアレルゲンエキスを用いた舌下投与の液剤タイプの治療薬の国内フェーズ3を秋に開始すると発表している。13~15年度中の上市を目指している。