クロピドグレルとPPIの併用 医師の39%が実施 メドピア調査
公開日時 2010/07/29 04:00
約3万人の医師会員制コミュニティサイト「MedPeer」を運営するメドピアはこのほど、抗血小板薬クロピドグレル(一般名、製品名:プラビックス)処方時のPPI併用に関する調査結果を発表した。クロピドグレル処方時にPPIを処方している医師が全体の39%と最も多く、次いで「クロピドグレルとH2ブロッカー併用」と「クロピドグレル使用時も特に胃薬は併用しない」が各22%となった。クロピドグレルとPPI併用の理由では、「クロピドグレルの効果が低下するという見方より、潰瘍予防効果の方が重要」といったコメントが多く見られた。
クロピドグレルは副作用に胃潰瘍がある。一方で、クロピドグレルとPPIは、いずれもCYP2C19で代謝されるため、併用するとクロピドグレルの効果が低下するとの指摘もある。このような状況のため同社は調査を実施した。
調査は会員医師を対象に、インターネットで7月5日から18日まで実施した。有効回答数は716件。クロピドグレルとPPIを併用していると答えた医師からは、「クロピドグレルは胃粘膜障害を起こすのでPPIを併用している」(30代、総合診療科)、「併用しなければ、経験的に消化性潰瘍がおきやすい。一度出血性胃潰瘍になれば、抗血小板薬そのものをやめなければならなくなる」(40代、神経内科)、「PPI併用によるクロピドグレルの効果減弱は臨床的には問題なく、消化管出血の方が怖いので原則的に併用している」(40代、一般内科)などのコメントが寄せられた。
一方、クロピドグレルとH2ブロッカーを併用していると答えた医師からは、「PPIよりH2の方が安価」「H2でコントロール可能な症例が多い」などが理由として挙がった。クロピドグレルと胃薬の併用はしないと答えた医師からは「全例投与はしていない」と、患者に応じて抗潰瘍薬の処方を決めているとのコメントが目立った。