サノフィ・アベンティス 米バイオ医薬品会社TargeGenの買収を発表
公開日時 2010/07/06 04:00
サノフィ・アベンティスは6月30日、アメリカのバイオ医薬品会社・TargeGen社(本社・カリフォルニア州サンディエゴ)を最大5億6000万ドルで買収すると発表した。買収金額の内訳は、アップフロント・ペイメントとして7500万ドルとTargeGen社が開発中のヤヌス・キナーゼ2(JAK-2)阻害薬TG101348の開発ステージに応じた達成報奨金。サノフィ・アベンティスは2010年第3四半期中の買収完了を目標にしている。
今回の買収相手であるTargeGen社は2001年設立。血液がんや血液疾患の治療目的の低分子キナーゼ阻害薬の開発に特化したバイオ医薬品企業。
同社の基幹化合物であるTG101348は、骨髄造血幹細胞の異常増殖を契機に正常な線維芽細胞が活性化されて線維化を起こし、骨髄に代わって肝臓や脾臓で造血が行われる慢性進行性疾患の骨髄線維症も含む骨髄増殖性腫瘍の治療薬として開発され、既にフェーズ1/2が終了し、この2010年第二四半期中に次の臨床開発ステージへ展開の見通し。また、血液がんの1種である真性多血症への臨床応用も検討されている。骨髄増殖性腫瘍は欧米で推定40万人の患者を抱えているものの、決定打となる治療法がなく、その中にあってTG101348には高い期待が集まっている。
このため今回の買収についてサノフィ・アベンティスのシニア・バイスプレジデントであるMarc Cluzel氏は「血液がん領域での関与を深めるより意義のあるステップであると同時に、アンメットメディカルニーズの分野で画期的な新薬を関係者に提供する当社の強力な関与を示すものである」と評している。