【レベル3】あの時君は若かった…。先輩MRから学ぶ失敗談 その2~中編~
公開日時 2010/05/24 04:00
1週間首を長くして待っていた方も、そうでない方もこんにちは。
エルゼビア・ジャパン 教育部です。
まずは先週の解答発表から。
【問】 MRの定義が書かれている省令はどれか。
1 GCP
2 GVP
3 GAP
【答】 2
歴史上、薬は多くの命を助け、人々の健康的な生活に寄与してきました。一方で、正しい情報が得られず誤った使用により、さまざまな副作用が起き、時として社会問題になったりもしました。(詳細については、MR研修テキストⅢを参照してください。)
それらの事件を教訓に、現在ではPMS(Post Marketing Surveillance:市販後調査)に関して、多くの省令が制定されており、統一ルールに基づいて各製薬企業が調査を行っています。
省令には、GVP、GQP、GPSPと言ったものがあります。
簡単に説明すると、
GVP:安全管理の基準
GQP:品質管理の基準(Q→クオリティー=品質)
GPSP:調査や試験の実施基準(S→スタディー=試験)
となります。
突然ですが、皆さんは「MRってどんな仕事?」って聞かれたら、なんて答えていますか?
「製薬企業の営業」と一言だけで済ませている方もいるのではないでしょうか?
かくいう元MRの私も、医療業界を全く知らない家族や知人に説明する時は、「製薬企業の営業で、Dr.にペコペコする職業だよ」なんて、自嘲気味に説明したこともありました。
そんな一面があるのは事実ですが、
「MRというのは、医療に使われる医薬品を適切に、そして安全に使ってもらうために、Dr.や薬剤師に情報を提供する、とっても重要な仕事なんです!」
と自信を持っていえるようなMRを目指してくださいね。
なんだか前置きが長くなってしまいましたが、「MRは医薬品を安全に使ってもらうための情報提供を担う」ということは、どの省令で定義されているかもうおわかりですよね。
そう、MRの定義が掲載されているのはGVP(安全管理の基準)です。
「MRはGVP」
↓
「MR=GVP」
↓
「MRGVP」
↓
「MVP」
覚えられない人は、「MVP」と覚えておきましょう。
ちなみに1のGCPは、薬が市販される前に行われる臨床試験の実施基準です。3は、もちろんアメリカのファッションブランドです。こんな省令は存在しません。
さて、本題に移りましょう。
今回のトピックは前回の続きで、「【レベル3】 あの時君は若かった…。先輩MRから学ぶ失敗談 その2~中編~」です。
順調に、そして手当たり次第に「あいさつ作戦」を実行し、Dr.との距離を縮めることに成功していた松田さん。
今日は、先輩から引継ぎを受けていない小規模の病院をはじめて訪問しました。受付の外来表を見る限り、常勤のDr.は4~5人といったところ。
「医局の前で待ち伏せて、一度に3人くらいあいさつを済ませてしまいましょ。」
と気楽な気持ちで、医局のあるフロアを訪れました。
早速、エレベーターから一人の初老のDr.が降りてきました。
温厚そうな顔をして、とても気の良さそうなオジサマ、といった感じでしょうか。
名前もわかりませんが、とにかく度胸でアタック!
「△△製薬の松田と申します。この度、こちらの病院を担当させていただくことになりました。先生の診療科とお名前を教えていただいても宜しいでしょうか?」
にっこりと微笑み、あいさつをする松田さん。
そして、見る見るうちに顔が真っ赤になっていくDr.のオジサマ。
Dr.から出た一言は、怒りに震えていました。
「わしゃ、ここの院長じゃ!!」
早足でその場を立ち去るDr.を、松田さんはただただ見つめるだけでした。
(※次回に続く。)
〔今日の宿題〕
【問】 病院の定義として正しいのはどれか。
1 常勤の医師が2人以上いる。
2 20人以上の患者を入院させるための施設を有する。
3 病院とするか診療所(クリニック)とするかは、開設者が自由に選べる。
正解は次回!!