今年5月4日付で米ブリストル・マイヤーズ スクイブのCEOに就任予定の、ランベルト・アンドレオッティ社長兼最高執行責任者(COO)は3月4日のアナリスト向けの記者会見で、同社の大型製品の特許切れピークに当たる2012年までに新たに5品目を市場に送り込むとの目標を明らかにした。
また、アンドレオッティCOOは「(特許切れピークの2012年を受けて)2013年には増益を確保し、2014年まで持続的な成長を続ける」と強調。2013年時点での1株当たりの利益を1.95ドルと見込んでいるとした。
現在、同社の開発パイプラインは、申請中などの後期開発品7品目も含め60品目を有している。この中で、今年中に市場に登場しそうなのが、昨年7月に同社が約24億ドルで買収したMedarex社が有していた転移性黒色腫治療薬のヒトモノクローナル抗体・イピリムマブ。
イピリムマブは、既存治療を受けた転移性黒色腫患者を対象にしたフェーズ3試験「MDX-020」の結果が今年6月のアメリカ臨床腫瘍学会(ASCO)で公表予定。アンドレオッティCEOは、同剤の早期の承認獲得のために各国の規制当局と協議に入っていることを明らかにした。
また、イピリムマブは、未治療転移性黒色腫患者を対象に、既存薬のダカルバジンとの効果・安全性を比較したフェーズ3「MDX-024」も進行中。この結果も今年末までには得られる見込み。さらには、非小細胞肺がん患者を対象にしたフェーズ2試験の結果も今年のASCOで発表される予定という。
Sanford C.BernsteinのアナリストであるTim Anderson氏は、イピリムマブが今年中に上市すれば2015年までに年間売上高5億ドルに達するだろうとの見通しを示している。
(The Pink Sheet 3月8日号より) FDAと米国製薬企業の情報満載 “The Pink Sheet”はこちらから