レボフロキサシン訴訟 第一三共が上告断念
公開日時 2009/11/10 04:02
抗菌剤レボフロキサシン(先発商品名:クラビット)のレジオネラ属の効能追加に伴う特許期間延長に関し、知財高裁が第一三共の請求を棄却したことを受け、同社は11月9日、上告を断念すると発表した。これに伴い、特許期間延長の主張が認められることを念頭に、GEメーカー23社を相手に東京地裁と大阪地裁に提訴していた製造販売差し止めを求める特許侵害訴訟も取り下げた。これによりレボフロキサシンの特許を巡る係争は終わった。
特許期間延長については第一三共は11年5月27日まで特許が認められると主張していたが、ジェネリック(GE)メーカー13社が無効審判を求め、特許庁は08年11月、特許は08年12月25日で満了と判断。これに第一三共は、この無効審決の取り消しを求めて知財高裁に提訴していたが、09年10月28日に第一三共の請求を棄却。同社は最高裁への上告を検討していた。
同剤のジェネリック(GE)は09年5月に発売されている。GEの対象は100mg製剤だが、耐性菌問題を避けるため第一三共は現在500mgなど高用量製剤への切り替えを進めている。100mg製剤は11年3月をめどに薬価基準から削除する方針だ。
今回の上告断念について第一三共は、先発薬の一部の効能・効果や用法用量に特許が残っている場合であっても、それを除いた形でGEを承認すると厚生労働省が方針を明確にしたことや、国のGE使用促進を考慮したとしている。