武田薬品 米アミリン社の抗肥満薬 全世界の開発・販売権取得
公開日時 2009/11/04 04:01
武田薬品は11月2日、米国アミリン社の抗肥満薬2品目と関連治療薬に関する全世界の独占開発・販売権を取得したと発表した。両社が米国時間10月30日に契約を締結した。武田薬品は契約一時金として7500万ドルを支払うとともに、今後の開発・販売に応じたマイルストンとして総額10億ドル以上を払う可能性がある。武田薬品の長谷川閑史社長は「対象化合物をブロックバスター製品に育成すべく、製品価値の最大化に努めたい」とコメント。全世界で少なくとも3億人が肥満とされる中で、今回の抗肥満薬の可能性に大きな期待を寄せた。
武田薬品が今回導入した抗肥満薬は、糖尿病治療薬プラムリンタイド(一般名、米国製品名=シムリン)とメトレレプチン(一般名)の配合剤と、ダバリンタイド(一般名)の2品目。いずれも米国でフェーズ2試験を実施している。日本での開発スケジュールは「検討中」(武田薬品コーポレートコミュニケーション部)。また、契約ではオプション権として、両社の肥満症治療薬研究プログラムから創出される化合物も対象となる。
プラムリンタイドは、すい臓から分泌される神経ホルモン「アミリン」の合成アナログで、胃からの食物の排泄を抑制して満腹感を持続させる。メトレレプチンは中枢神経系で食欲抑制する作用を持ち、両剤が合わさると肥満に効果を発揮するという。現在は両剤を併用した試験を行っているが、今後、配合剤の開発を行う。一方、ダバリンタイドはプラムリンタイドの次世代タイプという。