人を測るものさし―臨床研究における変数と測定―
公開日時 2009/10/30 00:00
臨床研究とは、基本的に数字を使って何らかの情報を提示する行いです。そのため、臨床研究の結果を解釈する上で、そこに記述されている数字や、それに準じたものについて考えてみたいと思います。臨床研究においては、“数字について考えること=統計学”のイメージがあります。それは確かにその通りなのですが、“統計学=統計解析”というのは間違いです。私はよく臨床研究に関するコンサルテーションを受けるのですが、その中で一番困ってしまうのは、「データを集めたので統計処理をして欲しい」という類の依頼です。臨床研究における数字の取り扱いの中で重要なのは、実は統計解析ではなく、統計解析をするために集められた数字一つ一つそのものの質なのです。収集された一つ一つのデータに根本的な問題がある場合、いかに研究デザインが優れていて...