米上院のBill Nelson議員(民主党)が提案したメディケア(公的高齢者保険)・パートD(薬剤給付)における製薬企業が政府に支払うリベートに関する修正案が財務委員会で否決された。
同修正案は、メディケイド(公的低所得者向け保険)への加入と二重資格を持つメディケア・パートD加入者に給付する薬剤についてのリベートをメディケイドのリベートと同レベルにし、それにより獲得できた余剰金で、メディケイド・パートDにおける、いわゆる「ドーナツの穴」(薬剤給付がすべて自己負担となってしまう範囲)の加入者の給付を補填しようという計画。
米上院エネルギー・商業委員会のHenry Waxman委員長(民主党)が賛同したが、ヘルスケア改革法案で超党派の案の作成を目指すMax Baucus議員(民主党)の反対で否決に追いやられた。Baucus議員は、PhRMA(米国研究製薬工業協会)とホワイトハウスとの間でのPhRMAによる今後10年間で800億ドルの節減策を取りまとめた経緯があるため、反対したことを示唆している。
医薬品業界にとっては、法案を廃案にしたことと同時にボーカス議員を味方に付けたことは今後のヘルスケア改革論議にとって意義ある勝利といってよい。