ノバルティスファーマは10月1日、高血圧治療薬として新たな作用機序を持つ直接的レニン阻害薬(DRI)ラジレス錠150mg(一般名:アリスキレンフマル酸塩)を発売した。同社はARBディオバンや、同剤と利尿薬の配合剤コディオとともに、第一選択できる高血圧治療薬としてラジレスの市場浸透を図る考え。ラジレス単体での売上高は初年度3.7億円、ピーク時の18年度には289.1億円を見込む。
高血圧治療薬として新規作用機序を有する新薬の上市は10余年ぶり。ラジレスは、高血圧を引き起こすRAA系(レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系)の起点に位置する酵素レニンを直接阻害する薬剤。このため血漿レニン活性を抑制し、アンジオテンシンI以降のすべてのアンジオテンシンペプチドの産生を抑制できる。また、血中半減期が40時間と長いため、1日1回投与で24時間以上にわたり持続的に安定的な降圧効果を示すほか、投与中止後も降圧効果が持続され、血圧上昇も緩徐であることがわかっている。
国内外の臨床試験結果においては、単独療法で既存のARBと同等の降圧効果を示した。なお同剤は臓器保護作用の検討を目的に14の試験からなる臨床試験プログラム「ASPIRE HIGHER」を実施中。心保護作用に関する試験結果も近く発表される見通しとなっている。