分子標的薬スーテント 減量投与する傾向 市販後調査で判明
公開日時 2009/03/26 23:00
筑波大学大学院の赤座英之教授(専門・泌尿器)は3月25日、ファイザーが販
売している腎細胞がんに対する分子標的薬スーテントの市販後調査で、初回投
与サイクルから減量して投与する傾向がみられたことを明らかにした。海外で
も同様の傾向がみられているという。理由として副作用リスクを避けるためと
推測した。
これはファイザーが開催した市販後調査結果の記者会見で話したもの。赤座教
授は全例調査の症例報告書をもとに、腎細胞がん患者に対し4週間4カプセル
(50mg)を投与(=1投与サイクル)できた場合を100%とした時、初回の投
与サイクルの平均投与量は66.7%だった。サイクルを重ねるごとに平均投与量
は減り、4回目の投与サイクルでは61.3%となっていた。副作用では血小板減
少、白血球減少などが多い。
用法用量の見直しの必要性について記者に問われた赤座教授は、「もう少しデ
ータを蓄積してから判断しなければならない」と述べ、治験と実地医療では患
者背景・状態が異なる可能性も考慮する必要があることを指摘した。