キョーリン・大日本住友 経口抗菌薬ガチフロ錠の販売中止を決定
公開日時 2008/09/30 23:00
キョーリンと大日本住友製薬は9月30日、同日付で経口抗菌薬ガチフロ錠(一
般名:ガチフロキサシン)の自主的な販売中止を決定したと発表した。血糖値
異常という副作用の発現を回避する難しさや新薬の登場などが理由。今後、承
認整理などの薬事上の手続きを進め、早ければ来年3月末には薬価削除となる
見通し。
同錠は02年6月に発売されたが、副作用として重篤な低血糖・高血糖が報告さ
れ、03年3月に緊急安全性情報を発出した経緯がある。07年度の同錠の決算ベ
ースの売上は、キョーリンが23億円、大日本住友が8億円だった。08年度はキ
ョーリンが横ばいの23億円を見込んでいたが、販売中止までの10億円(08年度
中間期予想)にとどまる。
米国では、導出先のBMS社が商業上の理由で販売を終了。FDAは安全性などを理
由にオレンジブックから削除していた。
ガチフロには錠剤(国内販売:キョーリンと大日本住友、韓国販売:韓獨薬品)
と点眼液(国内販売:千寿製薬、米国販売:米アラガン社)がある。キョーリ
ンの海外でのガチフロキサシン売上に関しては、アラガンに導出した点眼液
(販売名:ザイマー)からのロイヤルティ収入がほとんどといい、今回の件で
08年度予想の29億円(07年度実績30億円)に変更はない。