岩崎博充ファイザー社長 医療用薬7.0%増、11月は過去最高
公開日時 2008/02/28 23:00
ファイザー日本法人の岩崎博充社長は2月28日の会見で、大規模な人員削減を
経て、昨年9月から新体制をスタートしたが、06年12月―07年11月の売上は対
前年比5.1%増の4361億円(医療用医薬品は7.0%増の4207億円)となり、とく
に11月は単月で過去最高となるなど、「大規模な人員削減にもかかわらず、や
る気のある社員が残ってくれたおかげで記録的な売上を達成できた」と評価し
た。
今年最大の課題は、最主力のCa拮抗薬ノルバスクの特許切れに伴う、後発品へ
の対抗。岩崎氏は数十社の参入が予想されるとして、「最大のカギは全社員が
危機感を持って情報を的確に提供すること」と指摘。全国4万軒ある得意先を、
循環器領域と得意先が重なる感染症、中枢神経系領域のMRによる連携、本社の
マーケティング・開発部門との協力体制を敷き、対応する方針を示した。また、
患者の安全性に配慮したパッケージ(表示の分かりやすさ・取り扱いやすさ)
の提供などを強化するとした。
昨年11月に上市した降圧剤セララに、今年以降は禁煙補助薬チャンピックス
(承認取得)、肺動脈性肺高血圧症治療薬レバチオ(同)、降圧剤と高脂血症
薬の配合剤(申請中)など新製品が加わり、循環器領域の営業強化が必要にな
ると強調。
「人員を減らした現状で、激しい競争を戦うとなると一人一人の生産性を高め
ることが重要になる」と述べ、営業の生産性向上に向けた取り組みを強化する
とした。具体的には、新薬発売時は全MRがプロモーション活動を展開する柔軟
な営業稼動体制への移行や、PC機能を併せ持つ携帯「スマートフォン」の全MR
への配布、ウェブ会議機能の導入を含む営業の内勤業務の効率化、営業所機能
の改革など。