薬価改定 医薬品市場約5000億円消失へ、成分加重平均方式の火種残す
公開日時 2005/12/18 23:00
厚生労働省は12月16日の中医協総会に06年度薬価改定について、医療費ベース
で1.6%引き下げる方針を示した。薬剤費を医療費の約2割(約6兆円)とし
て計算すると、薬価ベースで約8%引き下げとなり、約5000億円の医薬品市場
が失われる。
焦点だった長期収載品の薬価改定問題は特例引き下げ幅の拡大で決着した。先
発品薬価の一律引き下げ率(4、5、6%、承認時期別の3段階)をそれぞれ
2%拡大。向田孝義専門委員(アステラス製薬常務執行役員)は「納得しがた
いが、今回限りの2%と理解している」と厚労省を牽制した。
一方、対案だった「成分加重平均方式」は06年度改定での採用は見送られた。
だが、厚労省が示した薬価制度改革の骨子案には「引き続き検討を行う」と明
記。次々回の08年度改定に向け火種を残した。