厚生労働省は11月10日の社会保障審議会・医療保険部会に提示した06年診療報
酬改定の基本方針の中に「混合診療」を盛り込み、従来の方針から踏み込んだ
考えを示した。

基本方針のなかで、厚労省は、経済動向や財政状態を考慮しつつ、医療保険制
度を少子高齢化社会に対応した持続的な制度として維持するため、医療費の過
大な伸びを厳しく抑制する方向性を打ち出した。医療費増大の要因となる高額
な医療などは点数上の適正化だけでなく、混合診療を認めて、患者本位の医療
と医療費抑制の両立を図る考えを示した。

日本医師会の松原謙二常任理事は「原則論として医療上必要なものは保険でや
るべき」と混合診療に反対する考えを主張。一方、日本経団連の松井博志国民
生活本部長は「混合診療によって、患者が軽い負担で新しい医療を受けられる
ことを忘れてもらっては困る」と反論した。基本方針は、医療保険部会と医療
部会で12月上旬までに内容を詰め、中医協に報告する予定だ。