日医 「開業医ひとり勝ち」報道に反論、実際は悪化
公開日時 2005/11/09 23:00
「開業医収支は実際にはマイナスだ」。日本医師会は11月9日の中医協総会で、
医療機関の経営実態を調べた「医療経済実態調査」に関する報道が病院に比べ
て開業医の収益性が高いと指摘した点について、否定する見解を示した。
松原謙二常任理事は「開業医の医業収支を巡る報道は大きな誤解」としたうえ
で、開業医は病院と違い経営者の給与を経費として算定せ
ず、開業医と病院を比較できないと主張した。1ヵ月間に必要な退職金引当や
建物・設備の更新費用の積み立てに加えて、借入金の返済などを差し引くと、
開業医の月給は100万円程度。これは、病院長(平均給与約195万円)や医師
(平均月給約96万円)と比べてあまり変わらないとしている。
さらに収入面をみても、前回調査より診療日数が1日多く、2.3%のマイナス
補正を行う必要性があるという。こうした影響を加味すると、開業医の収入は
マイナス4.3%。04年の改定率±0%を考慮すると「実際にはかなりのマイナ
ス改定」であることを強調した。
支払側委員の松浦稔明・香川県坂出市長は「2年前の改定時にも同じ議論をし
た。医療経済実態調査では改定傾向をつかめない」と述べ、日医が税法上の開
業医の所得調査に積極的に協力すべきと提案。また、他の支払側委員も日医の
主張には「同意できない」と否定的な見方を示した。